Detroit Rock City 監督:アダム・リフキン
製作:キャスリーン・ハース バリー・レヴィン ジーン・シモンズ 脚本:カール・V・デュプレ 音楽:J・ピーター・ロビンソン サントラ「デトロイト・ロック・シティ」 出演:エドワード・ファーロング(ホーク) ナターシャ・リオン(クリスティーン) ジュゼッペ・アンドリュース(レックス) ジェームズ・デベロ(トリップ) サム・ハンティントン(ジェレマイア・ジャム・ブルース) リン・シェイ(ミセス・ブルース) メラニー・リンスキー(ベス) マイルス・ドゥガル(エルビス) ジーン・シモンズ ポール・スタンレー エース・フレーリー ピーター・クリス (1999 アメリカ) 1978年、アメリカのとある田舎町の高校生4人組は、当時人気絶頂のロックバンド"キッス"の大ファン。 彼らはミステリーというバンドを作り、キッスの曲をコピーしたりしている、大のロックファンでもある。 明日デトロイトで行われるキッスのコンサートに初めて行けることを楽しみしていた彼らだったが、重大なトラブルが…。 メンバーの一人、ジャムの母親が大切なそのチケットを4人分すべて燃やしてしまったのだ。 ジャムの母親は、かなり頭の固いクリスチャンで、キッスは悪魔の使者だと、忌み嫌っているのだ。 さて、この大ピンチを4人がどうやって切り抜けていくのか、果たして彼らは初のキッスのコンサートに行くことが出来るのか…。 その悪戦苦闘ぶりをキッスや当時の懐かしいロックのヒット曲をバックに描いていくコメディである。 ミステリーのメンバーの一人、ホーク役をエドワード・ファーロングが演じている。あの"ターミネーター"でジョン・コナーを、また"アメリカンヒストリーX"で主人公の弟役をやっていた少年だ。 この映画は1999年の作品だが、78年当時のロックシーンや、キッズ達のロックスターへの熱い熱い思いを懐かしく再現してくれている。 彼等4人はキッスのコンサートチケットを手に入れるためなら何でもする。 体を張ってかなりな無茶もする。 そんな様子に、明日のことよりなにより、とにかく今を全力で生きていた恐いもの知らずの時代を思い起こさせられるオジサマオバサマも多いかも知れない。 "fuck""fucking""fucker"という言葉が、この映画の中には83回出てくるそうだ。 親子間の摩擦や、窮屈な学校や、同世代ながら価値観の違うステラ(ディスコに通う女の子達)との小競り合いや、青春映画としてはベタなのだけど、見終わった後に思わず微笑んでいる自分に気付くような、そんな暖かみのあるコメディーだと思う。 映画の中で重要な役割をする二人の女の子…ジャムのガールフレンドとなるベスとディスコに通うステラのクリスティーンは、キッスのヒット曲 "Beth"と"Christine Sixteen"から名付けられた役名だ。 そしてディスコ派のクリスティーンのセリフの中には、「ロックだってディスコだって良いモノは良い。」「キッスもいつかディスコソングを演るかもしれないわよ。」というのがあって、もちろんそこでミステリーのメンバー4人はせせら笑うのだけど、実際にその後キッスが"I Was Made For Lovin' You"というディスコサウンドを手がけたことにひっかけているのだ。 こんな細かい隠れたエピソードを含めて、キッスファンなら、また70〜80年代のロック世代ならきっと懐かしく楽しめる映画だと思う。 映画の中ではたくさんのキッス以外のロックのヒット曲も使われている。 マリリン・マンソン、テッド・ニュージェント、T.レックス、UFO、シン・リジィ、ランナウェイズ、エドガー・ウィンター、AC/DC、チープトリック、ELO、サンタナ、デヴィッド・ボウイ、ブルー・オイスター・カルト、ラモーンズ、キャプテン・アンド・テニール、ナザレス、ヴァン・ヘイレン…などなど、もうロック三昧だ。 2006/6/11
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