プラダを着た悪魔
THE DEVIL WEARS PRADA
http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
監督 : デヴィッド・フランケル
原作 : ローレン・ワイズバーガー
 『プラダを着た悪魔』
脚本 : アライン・ブロッシュ・マッケンナ
衣装デザイン : パトリシア・フィールド
音楽 : セオドア・シャピロ
  オリジナル・サウンドトラック
  『プラダを着た悪魔』
出演 : メリル・ストリープ
   (ミランダ・プリーストリー)
 アン・ハサウェイ (アンドレア・サックス)     エミリー・ブラント (エミリー)
 スタンリー・トゥッチ (ナイジェル)      エイドリアン・グレニアー (ネイト)
 トレイシー・トムズ (リリー)    サイモン・ベイカー (クリスチャン・トンプソン)
(2006 /米)

 かつてヴォーグでアシスタントをしていた経験を持つローレン・ワイズバーガーが、自らの経験をもとに書いた同名小説の映画化である。

ファッション誌『ランウェイ』の編集長ミランダは業界では多大な影響力を持つ有名な女性。
そこにお洒落には全く疎いアンドレア・サックスがアシスタントとして入社する。
ミランダは悪魔のような厳しい上司で、アンドレア(アンディ)の私生活は滅茶苦茶。
恋人のネイトともすれ違い、だんだん心が通じ合わなくなっていく。
一方仕事の方では、アンディは持ち前の聡明さと根性で徐々にミランダも認める有能なアシスタントへと変貌していく。
そして、それとともにどんどん洗練されて美しくなっていくアンディの様子が、次々と衣装を変えて登場する短いカットの映像でファッション雑誌のページをめくるように上手く表現されている。
この映画の大きな魅力の一つは、こういう軽快なテンポと映像にぴったりとハマる音楽だと思う。
当初「おばあちゃんの服」などと陰口を言われていた彼女が、様々なブランド品に身を包んで胸を張って歩く姿はファッションショーを見ているようでうっとりする。

けれど、私は主人公アンディよりもむしろ、彼女を取り巻く周囲の人々の方により人間的魅力を感じ、共感した。
見た目派手だけれど、実は地道な努力を積み重ねてきた同僚のエミリー、失敗したアンディを冷たく突き放すが結局一番頼りになる先輩のナイジェル、皆それぞれにチャーミングな人柄の持ち主である。。
そしてやはり誰よりもプラダを着た悪魔が…仕事のために多くのものを犠牲にして生きる覚悟を決めているミランダが素敵だ。
この作品をビシッと引き締めているのは、このミランダを演じたメリル・ストリープの存在感と演技のおかげだろう。

 最後に、上で紹介したサウンドトラックにはオープニングでかかる"Suddenly I See"は入っていないようなのでご注意を!!
(2008/1/24)


=========================ここからネタバレ=======================


















ラスト、ミランダが車の中で一人微笑むシーンが印象的である。
悪魔のようだった彼女が見せる、唯一優しい笑顔。
彼女がアンディに語った「あなたは私と似ている」という言葉をその微笑みに重ね合わせ、私は若かりし頃のミランダがもしかしたらアンディと同じ選択に悩み、そしてアンディと違う道を選んだのではないかと想像を膨らませた。
自分と違う道を選択した若く才能あふれるアンディに、懐かしさと愛おしさと少しの羨望や嫉妬を感じ、けれど今の自分に誇りを持って生きている…そんな表情であるように思え、ミランダの人生に思いを馳せつつ胸がいっぱいになるラストだった。
 


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