HOLES
http://www.movies.co.jp/holes/
http://disney.go.com/disneyvideos/liveaction/holes/main.html
監督 : アンドリュー・デイヴィス 
原作・脚本 : ルイス・サッカー  『穴』(講談社刊)
音楽 : ジョエル・マクニーリイ 
出演 : シア・ラブーフ  (スタンリー・イエルナッツ4世)
    クレオ・トーマス (ゼロ)    シガーニー・ウィーバー (所長)
    ジョン・ヴォイト  (ミスター・サー)
    ティム・ブレイク・ネルソン (ドクター・ペンダンスキー)
    パトリシア・アークエット (ケイト・バーロウ)
(2003 米)
 これは日本劇場未公開の作品だそうだが、それはちょっともったいないかも…と思える映画だ。
ルイス・サッカーという児童文学作家のベストセラーを映像化したもので、確かに内容は子ども向けかも知れないが、なかなか良くできていて大人でも充分楽しめる。
それに、先祖の因果が子孫に…などという展開は、日本人にもしっくり来るのではないかと思うのだが…。

 ツイてない主人公の少年スタンリーは、彼のみならずイエルナッツ一族代々の運命的なツイてなさの原因が実は曾祖父のヘマによる呪いにあると、たびたびお祖父さんに言われてきた。
スタンリーはついに、やってもいない靴泥棒の濡れ衣の為に、変な更正施設に送られることになるのだが、実はこの施設がある土地こそ、かの曾祖父のヘマと深い関わりがあったのだ。
そこは砂漠のど真ん中にあり、しかも更正の手段としてひたすら穴を掘るという作業をする。
日陰のない炎天下で、身の丈ほどの深さの穴を毎日1つずつ掘らなければならないのだ。
まるで意味のわからない穴堀り…。
一応所長は、穴掘りは「人格形成の手段」だというのだが、一方では何か良いものを掘り当て、それを所長に報告すれば一日穴掘りが免除されるなどという変なご褒美もある。
この怪しさいっぱいの施設には風変わりな所長やドクターや教官がいて、少年達を厳しく指導(?)するのだけど、少年達も一筋縄ではいかない悪ガキばかりで彼らのやりとりなど笑えるシーンがたくさんあって面白い。
だいたい主人公の名前が"Stanley Yelnats"などという、左から読んでも右から読んでも同じ…な名前だったり、随所に笑いがあって、しかも勧善懲悪の…「最後にはわるものを懲らしめてめでたしめでたし」…の後味の良い映画なので、リラックスして気持ちよく楽しめる。


謎の多い所長役を演じているシガニー・ウィーバーの娘さんは、この原作がお気に入りなのだそうだ。
原作者のルイス・サッカーは、この映画の脚本も手がけている。
その他にも、ルイス・サッカー自身が、彼の奥さんや娘さんとともにエキストラで出演していたり(サムがオニオンジュースを売る場面だそうだ)、監督のお父さんが、スタンリーの祖父役をやっていたり…と、原作を愛する人達が集まって楽しんで作った映画なのかなと思わせるエピソードである。

それから、更正施設でスタンリーの親友となるゼロ(実は件の呪いに関わる重要人物の子孫)を演じるクレオ・トーマスがとてもチャーミングで可愛い。
(2006/1/24)
[movie top]



inserted by FC2 system