http://www.infernalaffairs.com/2004/ http://www.infernal.jp アラン・マック 脚本: アラン・マック フェリックス・チョン 出演: アンディ・ラウ(ラウ) トニー・レオン(ヤン) レオン・ライ(ヨン) ケリー・チャン(リー) アンソニー・ウォン(ウォン) エリック・ツァン(サム) チャップマン・トウ(キョン) サミー・チェン(ラウの妻マリー) ショーン・ユー(若き日のヤン) エディソン・チャン(若き日のラウ) カリーナ・ラウ(サムの妻マリー) チェン・ダオミン(シェン) (2003 香港)
一作目、二作目とも、ついていくのがやっとで、やたら混乱した記憶があったので、あれから忘れている部分も含めてもう一回復習してから本作を観たほうがいいと思い、今回あらためて三作を順番に間をあけずに観なおした。 前作までの謎解きのような意味合いもあるため、ストーリーを追いながらもあの時のあの場面にここが繋がるのか…、だからあの時ああだったのか…、などと考えるのだが頭の中で納得している間に画面の字幕が流れていってしまうという忙しさ。 もう一度吹き替えで観たら、今度はもっとストーリー自体の中に入り込んで楽しめるのではないかと思ったくらいだ。 さて結論から言って、私はこの三作目を観たことでこのシリーズ全体へのイメージがアップしたように思う。 この三作目は、前二作に比べてスリリングなシーンもアクションシーンも少ない。 警察とか黒社会という組織に関わる男達の話…などというもの自体苦手分野であるばかりか、派手な銃撃戦も緊張感あふれる暴力シーンもあまり好まない私には、ラウの心理状態に焦点を当てたこの三作目が一番共感できた。 しかし逆の観点で観賞すれば、退屈で説明的で、まさに前二作の、「蛇足」なのかもしれない。 どうやら、三作目の評価はインファナル・アフェアのファンの間でも分かれているようなのだ。 マフィアに潜入した警官ヤンと、警察に潜入したマフィアのラウ。 このまったく対照的な2人の男の生き方と、そして運命を、「無間道」というテーマで追い続けたこの作品は、この三作目で、一気に謎を明確にしながら、同時に「無間道」という言葉の恐ろしさをもありありと浮き彫りにする。 その恐ろしさを画面のこちらに静かに伝えてくるのは、精神的に追いつめられていく狂気のラウの姿だ。 さまざまな危機を回避しヤンとの対決からも生き残ったラウが、辿り着いた「善人でありたい」という切ない願いが痛ましい。 彼にとってはあまりに非現実的な、叶わない願いだ。 無間地獄とは地蔵菩薩本願経にある「絶え間ない地獄」のことであるが、それは人の心の中に産まれる最も深い苦しみのことだと思う。 ラストシーンのラウの姿は、「無間道」という言葉の真の恐ろしさをぞくぞくと感じさせる。 |
(2006/4/1) [movie top] |