死ぬまでにしたい10のこと
http://www.shinumade10.jp/main.html
監督 / 脚本 : イザベル・コヘット
出演 : サラ・ポーリー
 マーク・ラファロ
 スコット・スピードマン 
(2002 スペイン・カナダ)

 あと2ヶ月の命…医師にガンの宣告を受けたアンは、カフェでコーヒーを飲みながら、ノートに「死ぬまでにしたい10のこと」を箇条書きにした。
彼女はまだ20代前半、夜間清掃の仕事をしながら二人の娘の子育てもこなしている。
ニルバーナのラストライブで出会った夫と17歳で出来ちゃった結婚をし、19歳で次女を出産し、今、夫を含めて家族4人、母の家の敷地内でトレーラー暮らし。
母はホテルの厨房で働き、父は刑務所に服役中。
けれど、彼女には貧しいながらも暖かい家庭があった。

1、娘達に毎日「愛している」と言う。
2、夫ドンに、娘達も気に入る新しい妻を見つける。
3、娘が18歳になるまで、毎年お誕生日に送るメッセージを録音する。
4、家族みんなでビーチに行く。
5、好きなだけタバコを吸い、お酒を飲む。
6、思っていることを話す。
7、夫以外の男と付き合う。
8、誰かが私と恋に落ちるようにする。
9、刑務所に行って、パパと会う。
10、爪とヘアスタイルを変える。

この中には、残り少ない自分の人生のための"to do"と、自分がいなくなってから後のための"to do"がある。
私がいなくなってから後…"my life without me"…それがの映画の原題でもある。
アンは、誰にも、家族にさえも病気のことは告げず、この計画を着々と実行していく。

 死を意識した時、初めて生を意識する。
悲しいかな、相対するものを実感できないうちは、今手中にあるものを実感できないのが人間である。
命の終わりを見つめながら一時一時をリアルに生き始めた彼女を見ていたら、私もまた、たった今この時も、死に向かって生きているのだということを思い出した。

   ■ アンのお母さん役で、ブロンディのボーカリスト、デボラ・ハリーが出ています。
     くわえタバコで洗濯物を干すシーンとか、なかなかいいです。
     「8miles」でエミネムのお母さん役をやったキム・ベイシンガーといい、不良のおっかさん役が、上手いですね。
     そして、…時の流れを感じますねぇ。

 

2004/6/30
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