LA VIDA SECRETA DE LAS PALABRAS THE SECRET LIFE OF WORDS http://www.lavidasecretadelaspalabras.com (スペイン語/英語) http://www.himitsunokoto.jp/ 出演 : サラ・ポーリー( ハンナ・アミラン) ティム・ロビンス (ジョゼフ) ハビエル・カマラ (サイモン) エディ・マーサン (ヴィクター) スティーヴン・マッキントッシュ(シュル ツァー) ジュリー・クリスティ (インゲ) レオノール・ワトリング(ジョゼフの親友の妻) ダニエル・メイズ (マーティン) スヴァレ・アンケル・オウズダル (ディミトリ) ダニー・カニンガム (スコット) ディーン・レノックス・ケリー (リアム) エマニュエル・イードーウ (アブドゥル) (2005 スペイン) イザベル・コイシェ監督は、以前「死ぬまでにしたい10のこと」という作品をこの映画と同じサラ・ポーリー主演で撮っている。 余命2ヶ月と宣告された若い女性が、生きている間にしたいこと、しておかなければならないこと10個をリストアップし、片っ端から実現していくというお話だ。 逞しくいじらしいけど、どこか淡々とした主人公像に、サラ・ポーリーはぴったりだった。 さて、本作の主人公ハンナは、工場で日々黙々と働くばかりの生活を送っている女性なのだが、あることから油田掘削所でジョゼフという男の看護をすることになる。 ジョゼフは火災で重傷を負っており、一時的にではあるが失明状態になっている。 彼をはじめ油田堀削所で働く男達は、それぞれにちょっと変わっていて、また色んな事情を抱えていて…、けれどさりげない優しさとユーモアを持っていて、そんな彼等によってハンナは知らず知らず癒されていくのだが…。 彼女は作品の中盤まで本当に笑わないし、とにかく無表情だ。 それは、彼女が抱える過去の出来事に起因している。 だけど、その過去…つまり「あなたになら言える秘密のこと」というのは、観客の予想をはるかに超えた過酷なものだった。 映画の後半でついにそれが明かされ、それまでのハンナのストイックで孤独な生き方の理由が、そこですべて理解できる。 この「あなたになら言える秘密のこと」は、前作の日本語タイトルを意識して付けた和訳なのだろうけど、ちょっと軽い感じがする。この映画はどっしりと重いテーマを扱っている…その点も前作と同様なのだがこの2作品には、テーマの重さを中和させる不思議な軽快さ潔さがある。 主人公や登場人物のキャラクターのせいもあるだろうが、音楽の使い方が個性的で作品に独特のカラーやリズムを持たせているせいかもしれない。 それがとても心地よくて、やりきれないような物語であるにもかかわらず、後味はとても爽やかだ。 2008/6/28 |