SOMETHING'S GOTTA GIVE http://www.sonypictures.com/movies/somethingsgottagive/site/ 監督・製作・脚本 : ナンシー・マイヤーズ
音楽 : ハンス・ジマー 出演: ジャック・ニコルソン( ハリー・サンボーン ) ダイアン・キートン(エリカ・バリー ) キアヌ・リーヴス(ジュリアン・マーサー ) フランシス・マクドーマンド(ゾーイ ) アマンダ・ピート(マリン ) ジョン・ファヴロー(レオ) ポール・マイケル・グレイザー(デイビッド・クライン ) レイチェル・ティコティン(マルチネス医師 ) (2003 米) ストーリーは、これが青春映画だったらとてもありきたりの、男女が出会い、何となく引かれ合い、でもそれが恋と気付くまでに凄く遠回りしてしまうじれったい二人…、ハリーとエリカの話…だ。
そしてそこに、エリートでハンサムで非の打ち所の無い男性、ジュリアンが現れエリカに夢中になるあたりもよくある三角関係。 けれど、この映画が面白いのは、この3人の年齢なのだ。 ハリーを演じるのがジャック・ニコルソン、エリカを演じるのがダイアン・キートンなのだから、二人の主人公達は中年以降のかなり高い年齢設定である。 そして、ジュリアンを演じるキアヌ・リーヴスは、若くて美しい、いかにももてそうな医師。にもかかわらず、エリカにぞっこんなのだ。 彼はストレートで素直にエリカに愛情表現をするのだけど、一方ハリーは有名なプレイボーイなのにどうも上手く気持ちが表現できない。 そして、エリカを怒らせたり失望させたり…、そもそも彼は自分のエリカに対する気持ちにさえ、なかなか気付くことが出来ないのだ。 なるほど、彼はプレイボーイではあるけれど、本当の恋愛をかつてしたことがないという事が次第に解ってくる。 この映画の見所の一つは、チャーミングなジャック・ニコルソンだと思う。 若い女の子とばかり次々とお付き合いしているプレイボーイのハリーが、いざ本当の恋を知ると、まったくの恋愛初心者となってしまうそのギャップが面白い。 ジャック・ニコルソンの色気とかわいらしさが十分に発揮される設定だ。 一方、著名な劇作家なのに、ハリーとの恋には子どものように一喜一憂してしまうエリカの姿も魅力的だ。 ダイアン・キートンが、この年齢だからこその複雑な恋心を上手く表現している。 一時ハリーを失い、大声を上げて泣きながら、にもかかわらず着々と自分自身の傷心をシナリオにしていくエリカのシーンは、とても笑えるのだが、少女のような繊細さと大人の女性の逞しさを同時に感じさせてくれる素敵な場面だ。 洋画の邦題には、ちょっとどうかな…というようなものが良くあるけれど、「恋愛適齢期」というのは解りやすい。 恋をする適齢期は人それぞれ…、この映画のように中年以降の恋もあるし、ハリー・サンボーンのようにそれが初恋だったりすることも案外あるかも知れない。 いくつであろうと関係ない、思い込みを捨てて、勇気を出して、真剣に恋をしましょう!…と、そんな自由な気持ちになる。 ちなみに原題の"Something Gotta Give"は、 1954年のジョニー・マーサーの曲だそうで、キアヌ・リーヴスが演じた役、ジュリアン・マーサーのネーミングの由来にもなっているそうだ。 (2005/10/19) |