THINGS YOU CAN TELL JUST BY LOOKING AT HER http://www.nhk.or.jp/sun_asia/sundance/j/1999_03.html 監督 : ロドリゴ・ガルシア
製作 : ジョン・アヴネット 脚本 : ロドリゴ・ガルシア 撮影 : エマニュエル・ルベツキ 編集 : エイミー・E・ダドルストン 音楽 : エドワード・シェアマー 出演 : グレン・クローズ(エレイン) キャメロン・ディアス(キャロル) キャリスタ・フロックハート (クリスティーン) エイミー・ブレネマン(キャシー) ホリー・ハンター(レベッカ) キャシー・ベイカー(ローズ) ヴァレリア・ゴリノ エルピディア・カリーロ マット・クレイヴン グレゴリー・ハインズ ダニー・ウッドバーン ノア・フレイス (1999 アメリカ) オムニバス形式の映画で、主人公はすべて女性である。彼女たちはみな、もう若くはない。 みんな心の中に空しさを抱えていて、けど傍目には何事もなく生きているように見える普通の女性だ。 彼女たちが背負っている色々な形の痛みの原因は、 ラストでキャロルが語るように、彼女たちの持つそれぞれの「事情」なのだ。 第1話■This is Dr. Keener 女医エレイン・キーナーは、痴呆の老母と二人暮らし。看病に明け暮れる毎日だが、エレインの心を照らしている小さな光は同じドクターである年下の男性への恋心。彼女は平凡な毎日の中で、その男性からの電話をいつもいつも待ちながら暮らしている。 第2話■Fantasies About Rebecca レベッカは銀行の支店長をしている独身女性。妻子のある男性との不倫関係がもう3年も続いている。彼女は妊娠に気づくのだが、一人で中絶手術を決意した。手術の予約をした帰り、レベッカは成り行きで部下と一夜をともにする。一方、彼女にからむホームレスの女性。何故か彼女の心の中を読むような事を言うこの不思議な老女は…。 第3話■Someone For Rose 離婚して、中学生の息子と二人暮らしのローズは童話作家をしながら、息子の世話をし愛情を注ぐ毎日。ある日近所に一人の男性が引っ越して来たことから、彼女の心がざわざわし始める。一方で大人になっていく息子との関係に、漠然と寂しさを感じながら、ローズはその男性に少しずつ心を惹かれていく。 第4話■Goodnight Lilly, Goodnight Christine タロット占い師クリスティーンはレズビアンである。同居している恋人のリリーは死の病に侵されている。死を怖れるリリーをいたわりながらも、彼女を失うことで恐れと戦っているのはクリスティーンも同じだった。 第5話■Love Waits For Kathy 女性刑事キャシーは友人カルメンの自殺の原因を調べている。彼女は盲目の美しい妹キャロルがいた。キャロルのデートの日には、髪をとかしメイクをして送り出すキャシー。 どのストーリーもとても良くできていて、こういうオムニバスにはありがちな、どれもこれも中途半端的な物足りなさはなく、名女優達がそれぞれの女性の心の内を見事に浮き彫りにしてくれる。 そして、L.A.郊外を舞台に登場人物達はみなどこかで繋がっていて、別のストーリーには脇役で登場したりする。 どうにもならない哀しみを描いてはいるが、決してラストは暗くない。 しっかりした脚本に裏付けられた、名作だと思った。 2006/6/22
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