Truth or Consequences N.M. 脚本 : ブラッド・マーマン 音楽 : ジュード・コール 出演 : ヴィンセント・ギャロ(レイモンド) キム・ディケンス(アディ) ミケル・T・ウィリアムソン(マーカス) キーファー・サザーランド(カーティス) ケヴィン・ポラック(ゴードン) グレイス・フィリップス(ドナ) ロッド・スタイガー(トニー) マーティン・シーン(サー) (1997 米) ヴィンセント・ギャロ目当てで観たのだが、なかなか良かった。 今までギャロ目当てで見た作品は、「ガーゴイル」以外全部予想以上の作品だった。 それに彼の出演する映画は、音楽がなかなか良い。 まず冒頭、刑務所の中を看守とともに歩いているレイモンドの姿を写す映像。 背後に流れる男性ボーカルの曲がそのスローモーションの映像にぴったりとはまって、まだ何も起きていないうちから胸がきゅんとする。 こういう映像と音楽の組み合わせは、まさにツボなのだ。 刑務所の廊下でレイモンドが見せる穏やかな笑顔もいい。 囚人服を着替え、そしてゆっくりと刑務所の外へ…、そう彼は今日出所するのだ。 ちょっとバッファロー'66を思わせる冒頭のシーンだが、けれど今回違うのは刑務所の門の前に、恋人のアディが満面の笑みをたたえて待っていることだ。 その出所の日から8ヵ月後、レイモンドは、ムショ仲間のカーティス、恋人のアディ、マーカスらとともに、ドラッグ・ディーラーから大金を盗み出す計画を立てる。 軽い仲間内の強盗だったはずの計画は、カーティスがディーラーを撃ってしまったところから、どんどん悪い方向に転がっていく。 お金の代わりにドラッグを奪う羽目になり、たまたまそこに潜入捜査していた警官を、そうと知らずに殺害。 たちまち警察の大がかりな追跡が始まり、しかたなくカップルを人質に巻き込む。 そしてドラッグを売るためのラスベガスへの道のりは、6人という大人数での滑稽で悲惨な旅になってしまうのだ。 絶望的に追いつめらていく彼らの、アウトローなりの良心とか、純愛とか、苦しみとか、弱さが、それぞれの個性的なキャラクターごとに描かれていて、なんとなく皆ちょっと魅力的に見え始める。 カーティス役のキーファー・サザーランドは、この映画の監督でもあり、脳天気ですぐにキレてしまうわりに縁起を担いだりする変な男を危ない魅力を発揮して演じていて、映画の中で次々と流れる曲は、ほとんどこのカーティスの好みで選ばれる設定だ。 延々と続くドライブにカーステレオから流れるサザンロックや、ブルースっぽい曲なと、なかなかの選曲。 時にはラリって大音量のフォガットで踊り狂い、すっかり消耗した他の仲間の顰蹙をかったりするのだが、ちょっと憎めない。 とにかく「どこかで聴いたけど、なんだっけ〜」という曲、懐かしい曲が多かった。(以下参考までに) ■Jude Cole…この人は音楽全般を担当していて、"Heavens Last Attempt"" Take the Reins"の2曲を歌っているらしい。冒頭のシーンで流れている曲はこの"Heavens Last Attempt" ■Outlaws…"Girl from Ohio" ■Allman Brothers Band…"Never Knew How Much" この辺はとーっても懐かしめのサザンロックだ。 ■Foghat…"Chateau Lafitte '59 Boogie" ■Bad Company…"Ready For Love"これは名曲。 このバンドのボーカルだったポール・ロジャースが最近クイーンのボーカルになって話題になった。 ■Van Morrison…"Crazy Love"これはラストで流れる曲。 その他… ■Lucinda Williams…"Joy" ■Vibrolush…"No Regrets" ■Tracy Bonham…"Navy Bean" ■Pete Droge…"Dear Diane" ■Brendan Lynch…"Swing Low" ■Jeff Tweedy…"Far, Far Away" ■John Bunzow…"Hit the Floor" ■Paul Thorn…"A Heart with Four Wheel Drive" ■Lesley Gore…"It's My Party"
ラストは"やっぱりね〜"のありがちな結末だが、オープニングと同様スローモーションの映像で、アディを抱いたレイモンドの姿に"Crazy
Love"がぐっと来る。 2005/4/10 |