THE WORLD'S FASTEST INDIAN http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/ http://www.worldsfastestindian.com/ (English) 監督・脚本 : ロジャー・ドナルドソン
音楽 : J・ピーター・ロビンソン サントラ世界最速のインディアン 出演 : アンソニー・ホプキンス (バート・マンロー) クリス・ローフォード (ジム・モファット) アーロン・マーフィ (トム) クリス・ウィリアムズ (ティナ・ワシントン) ダイアン・ラッド (エイダ) パトリック・フリューガー (ラスティ) ポール・ロドリゲス (フェルナンド) アニー・ホイットル (フラン) (2007 ニュージーランド/アメリカ) 「羊たちの沈黙」の殺人鬼レクター役で底知れぬ恐しさを醸し出していたあのアンソニー・ホプキンスが、この映画では真逆のキャラクター、スピードに命を懸ける伝説のライダーを演じる。彼によれば、こちらのキャラクター、バート・マンローこそが自分自身ととても近いというが、さすが名優、どちらもあまりにしっくりと違和感なく演じているものだなぁ…と感心するばかり…。
"OFFERINGS TO THE GOD OF SPEED!"と白ペンキで書かれた古い棚の上に、いくつも無造作に転がるバイクの部品…その映像から映画は始まる。 そこは、バートの自宅兼作業場兼、愛車インディアンのガレージでもある小さな小屋。 隣人たちは早朝からのバイクのエンジン音にうんざりしているが、その家の小さな息子トムだけはバートを慕ってことあるごとに遊びにやってくる。 63歳のバートとトムは年齢を超えて友情で結ばれているようだ。 この小さな友人だけが、最初からずっとバートの成功を信じていた これは実在した伝説のバイク乗りであり、世界最速記録(驚くことにそれは未だに破られていない)をうちたてたバート・マンローの63歳の時の物語だ。 お金もなく、マシンは40年前に手に入れ彼が惚れ込んだ1920年型"インディアン・スカウト"を自分で改造した見た目ぼろぼろのポンコツ。 だけど、このマシンが滅茶苦茶速い、とにかくそのギャップがかっこいい。 「世界最速」を競うレースに出るため、バートは全財産をなげうって、隣人友人達の暖かい応援に見送られながらまずニュージーランドからアメリカまで、コックとして船に乗り込む。 レース会場ボンヌヴィル塩平原にたどりつくまでの苦難の道も、またたどり着いてから次々と起きるトラブルにも、その度ごとにこれで終わりか…とハラハラし通しなのだが、毎回バートの人柄と夢に魅せられてしまった人々が彼を助け、窮地を乗り切っていく。 そしてその度ごとに、心が温まるワクワクした気持ちにさせられるエピソードがあり、登場人物同様観ている私達もバートの人間的魅力に引き込まれていくのだ。 彼の夢に対する真摯な思いや情熱が人を動かし、一方で無鉄砲とさえ感じられる楽天的さや大らかさが彼の夢の実現を願わずにはいられない気持ちにさせる。 本当にその姿を見ていると、信念はどんな障害をも克服する力を持ち、いくつになっても、やろうと思えば何でも出来るという気にさせてくれる。 バイク好きの人たちにはもちろんのこと、そうでない人にもお勧めの映画だ。 いつも夢を持っていたい、持ち続けていたい…案ずるより産むが安し…なんでもやってみよう!!…そんな前向きな気持ちになれるはずだ。 最後に、心に残ったバート・マンローの言葉を2つ。 ☆ You live more in five minutes on a bike like this going flat out than some people live in a lifetime. ☆ If you don't follow your dreams, you might as well be a vegetable. (2008/2/12)
[movie top] |