http://ymkn-ushijima-movie.com/movie/ 監督 山口雅俊
脚本 福間正浩 、 山口雅俊 原作 真鍋昌平 主題歌 Superfly イメージソング Superfly 出演 丑嶋馨 山田孝之 戌亥 綾野剛 加賀マサル 菅田将暉 愛沢明美 木南晴夏 藤枝彩香 門脇麦 犀原茜 高橋メアリージュン 愛沢浩司 中尾明慶 神咲麗 窪田正孝 蝦沼 柳楽優弥 (2014 日本) 先月、『そこのみにて光輝く』を観て、ちょっと菅田将暉に興味を持っていたところ、再び菅田将暉・綾野剛のコンビ。 そこに、『勇者ヨシヒコ』あたりからすっかりハマった、山田孝之が主役。 それから、門脇麦、窪田正孝、柳楽優弥・・・。 やたら気になる役者さんばかりの作品だ。 もともと真鍋昌平のコミックが原作で、今回は映画もパート2。 以前テレビドラマにもなっていてファンも多く、私はそのあたりの経緯をまったくすっ飛ばしての『闇金・・・』初心者なのだが、でも充分に楽しめた。 タイトル通り、山田孝之演じるウシジマくんは闇金業者の社長だ。 その会社にお金を借りに来る人々の事情と破滅的人生。 皆、独自の金銭的問題を抱えた一筋縄ではいかない人々なのだが、誰もがどこか魅力的なキャラで、共感も出来るし私自身に潜む破壊的で弱い部分とも重なり合い、それぞれに愛おしい。 彼らに共通して言えるのが「お金」に対するスタンス。 たかがお金、されどお金。 ウシジマくんは闇金ながら、というか闇金という仕事をしているからこそ、彼の人生の背後にはしっかりとした「お金哲学」のようなものがある。 まあ、それは表面上タダの闇金業者の屁理屈にも見えるのだが、私は彼のこの「お金哲学」には深く賛同した。 どんな大金を動かす人間でも、貧困にあえぐ人間でも、五円玉を前にしたときの彼らの言動は、それぞれの持つ「お金感」を物語る。 映画の中でもところどころに登場する五円玉。 そのつどウシジマくんが発する言葉は重い。 説教臭くはないけれど、的を射ている。 そうなのだ、ウシジマくんのところにお金を借りに来る人々に共通しているのが、この哲学の欠如なのだ。 それが闇金の世界で滅んでいく人たちの悲劇であり、闇金業者としてお金を貸す側に回っているウシジマくんとの境界線なのだ。 ちょっとネタバレだが、 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 門脇麦演じる彩香が働く風俗店に容赦なく取り立てに来るウシジマくんに、彩香が言う。 「闇金って本当にクズね。あんた達が生きている意味が分かんない」 その時のウシジマくんの返事が、とても心に残ってしまった。 「死ぬ意味も分かんねぇんだ」 無表情で寡黙で残忍で、そして時々駄菓子屋の前でお笹馴染みの情報屋戌亥とシャボン玉を飛ばしているウシジマくんの深淵を垣間見る気がする瞬間。 面白おかしく楽しめ、しかも深い映画です。 お金について真摯に考えてみる良い機会になりますよ。 (2014/6)
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